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【コラム:おんせん! オンセン! 温泉!】磯部温泉 磯部館

07月01日 09時22分
6月19日、都道府県をまたぐ移動自粛要請が、政府により全面解除されました。

コロナ禍の中、まだまだ安心できない状況ではありますが、待ちに待った遠出を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。

外出自粛で溜まったストレスをリフレッシュするなら、やはり「温泉」は外せません。

私も長らくの温泉に行けていなかったので、最近は「温泉マーク♨」を見かけるだけでもワクワクするほどです。

そんな「温泉マーク♨」の歴史は古く、初登場は江戸時代。

今回は、その発祥の地とされている群馬県の「磯部温泉」をご紹介します。

 磯部温泉が湧くのは、群馬県南西部の安中市です。

世界遺産に認定された「富岡製糸場」に近く、JR信越本線・磯部駅を起点に温泉街が広がっています。

「温泉マーク♨」は、駅前の記念碑に記されています。

 「温泉マーク♨」の歴史は古く、初登場は1661(万治4)年とされています。

きっかけは、農民同士の裁判とされています。

磯部温泉付近の土地の境界を巡る争いに決着をつける評決文の中に表記されました。

温泉から水蒸気が上がる様子を表現するために記号化したのだそうです。

 磯部温泉は、温泉マークとともに、江戸時代以前からの古い歴史があります。

現在は10軒弱の旅館や温泉施設が営業するこじんまりとした温泉地で、駅前から広がる温泉街は、古き良き昭和を感じさせるノスタルジックな雰囲気です。

名物である源泉を使用した「磯部せんべい」のお店や、足湯などのスポットも点在し、ゆったりと温泉街を散策するのもおすすめです。

 訪れたのは、磯部温泉随一の歴史を誇る老舗旅館「磯部館」です。

この地域には、「舌切り雀」伝説があることから、「雀のお宿」の別名もあります。

純和風のしつらえの格式高い雰囲気で、5階建の施設は、大手旅館特有の安心感と安定感があります。

 磯部館のお風呂は、碓氷川沿いにつくられた男女別の大浴場です。

岩や石を配し、広々とした内湯と、シンプルに木のぬくもりと温泉を楽しめる「箱庭」のような露天風呂で構成されています。

内湯でお湯に全身をまかせる開放的な湯浴みでリフレッシュするもよし、露天で静かにお湯と川の流れる音に耳を傾け、リラックスするもよし。

気分に合わせてそれぞれの楽しみ方ができます。

 泉質は、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉で、源泉は9.6度と冷たいため、加温・循環を行なっていますが、お湯の個性はしっかり感じることができます。

塩化物泉らしく、なめると程よくしょっぱく、薄いお吸い物のような味がします。

透明ですが、ほんのり白く見えるお湯は、トロトロとしていて肌にまとわりつく優しい感触です。

また、重曹の成分も多く含まれるため、すべすべとする肌触りも気持ちよく、湯上がりは、肌がしっとりします。

塩化物の効果で、体は芯までポカポカでした。

江戸時代から湯治場として栄えたという磯部温泉の効能の高さを、1回の入浴で実感することができました。

 磯部の湯の効能をしっかり体感した後はおなかも空いてきます。

今回は、磯部温泉街から車で約10分の場所にあるそば屋「いちよし」へ行きました。

温泉とそばの相性は抜群です。

十割そばにこだわり、化学調味料も使わないという、地元でも有名な手打ちそばの名店です。

 注文したのは、群馬県の地鶏を使用した「赤城鶏南蛮そば」です。

濃厚なうま味のとけ込むだし汁に、そばの香りが心地よい麺がよく合います。

ふんだんに入っている赤城鶏もジューシーで柔らかく、数分でだし汁まで完食しました。

野菜たっぷりでサクサクな「かき揚げ」とともに食すとさらに満足できることでしょう。

 磯部温泉は、古い歴史のある名湯らしく、効能豊かな温泉や老舗のそば屋など、個々の実力も粒ぞろいです。

群馬県の温泉といえば、天下の名湯・草津温泉や、風情ある石段の伊香保温泉など、全国区の名湯が君臨していますが、磯部温泉のような実力派の温泉もたくさん残っています。

また、東京からのアクセスも良く、スムーズに行けば、都内から2時間足らずの距離感も魅力的です。

にぎやかな温泉への旅も楽しいですが、静かでどこか懐かしい温泉への旅も乙だなあと思います。

【磯部温泉 雀のお宿 磯部館】 住所 群馬県安中市磯部1-5-5 電話番号 027-385-6411 URL https://www.isobekan.com 【泉質】 ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉(低張性 中性 冷鉱泉)/泉温9.6度/pH:7.2/湧出状況:不明/湧出量:不明/加水:あり/加温:あり/循環:あり/消毒:あり 【筆者略歴】 小松 歩(こまつ あゆむ) 東京生まれ。

温泉ソムリエ(マスター★)、温泉入浴指導員、温泉観光実践士。

交通事故の後遺症のリハビリで湯治を体験し、温泉に目覚める(知床での車中、ヒグマに衝突し頚椎骨折)。

現在、総入湯数は2000以上。

好きな温泉は草津温泉、古遠部温泉(青森県)。

 
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